2015年6月23日火曜日

デイノケイルス・ミリフィクス (2015)


デイノケイルス・ミリフィクス
Deinocheirus mirificus
作品サイズ 60cm
縮尺 1/19

 約40年間、巨大な腕しか見つかっておらず、謎の恐竜と言われていましたが、2013年にほぼ全身が推測出来る化石が報告されました。羽毛の量・位置については、論文の復元画に準拠(多少変えてはいますが)。


一般に「爪の骨」と言われるのは末節骨と呼ばれ、爪の基部になります。実際にはその骨に角質が被り、獣脚類の前肢であれば末節骨の2倍くらいの長さになるとも推測されます。デイノケイルスは前肢を特に武器に使う訳でもない=摩耗や破折する事もより少ないと考え、末節骨の約1.5倍程度の長さにしています。
 コンカベナトールの後脚の指先。爪(末節骨)の先に白く残っているのが角質の爪の痕と考えられています。

こちらは後脚。獣脚類らしからぬ平たい爪。
下顎の上下幅の高さが個人的デイノケイルス萌えポイント。口については頬有りか頬無しかで迷いましたが、下顎の幅が判りやすい頬無しタイプに。仮に頬有り復元が有力になっても、修正は簡単ですし。 

この模型制作に当たっては、デイノケイルスの全身像を明らかにした2014年の論文の共同発表者の一人・ Hang-Jae Lee氏にアドバイスを戴きました。


主な参考資料
Resolving the long-standing enigmas of a giant ornithomimosaur Deinocheirus mirificus
Yuong-Nam Lee, Rinchen Barsbold, Philip J. Currie, Yoshitsugu Kobayashi, Hang-Jae Lee. Pascal Godefroit, François Escuillie ́& Tsogtbaatar Chinzorig

巨大オルニトミモサウルス類デイノケイルス・ミリフィクスの長年の謎を解決