2010年12月28日火曜日

ジョバリア Jobaria tiguidensis

ジョバリア 
Jobaria tiguidensis
作品サイズ 60cm
縮尺 1/35







「ジョバリア」っていう名前のセンス良いです。由来は、ジョバリアが発掘された場所付近の伝説の怪物の名前だそうです。

 ずっと以前から恐竜、特に竜脚類の肩甲骨・胸骨の位置について疑問を持っていました。組み立胴体を正面から見た時に、左右 の胸骨の間がパカっと開いている骨格が結構多く、それがだらしなく見えて気になっていたんです。左右胸骨を正中に寄せれば、肩甲骨の位置も前方かつ体の正 中に近くなり、結果肩幅が狭くなるので意外に左右幅の狭い足跡化石にも合致するんじゃないかな~、と。ただ、そうなると、肩甲骨と肋骨のカーブが合わなく なってきます。体を側面から見た時に肩甲骨が約45度以上の角度で付いていると、左右胸骨・肩甲骨幅を狭めた状態では、肩甲骨の背中側の端が胴体から離れ てきて、胴体を正面から見た時に左右の肩甲骨がV字に開いてしまいそうな。肩甲骨を胴体に沿わせようとすると、随分湾曲させなければいけません。やっぱり 無理があるのかなぁ、と悩んでいたんですが、、、。
「恐竜復元」(岩波科学ライブラリー)、「恐竜学」(東大出版)での犬塚則久氏の記事に「恐竜の非常に保存状態の良い骨格から判断すると、肩甲骨は水平 に近い角度で胴体に付いていた可能性が高い」という記述が。その通りに肩甲骨の角度を変えると、胸骨の左右幅を狭めた状態でも肋骨のカーブに無理無く収ま りそうな、、、。
そういう事で、最近の私の作品、特に四つ足歩行の恐竜の場合は肩甲骨を水平とまではいかなくても、斜め40~30度くらいにしています。いきなり水平に する度胸は無いですね。見慣れていないせいか違和感もありますし、又そこまで肩甲骨を傾けなくても良いような気もしています。もちろん、以上の事はあくま で私個人の考えであって、学術的な価値はありませんので念のため。

  今回、眼球には塗装をせずに、眼球に使った素材そのままの色です。もう10年以上前に買っておいて使いもせず、かと言っ て捨てもせずだったんですが、やっと効果的に使う事が出来ました。光の加減によっては瞳孔があるようにみえますし、また非常に明るい赤色に見えたりもしま す。


作品製作記